2005.5.20更新

なぜ保護されているの? /
鹿せんべいは、おやつ?! /
鹿の1日 / 換毛期について /

 奈良における野生の「シカ」は神様に仕えてきた歴史と、人になついている野生の「シカ」は他に例の無いことから国の天然記念物に指定されています。古くから「シカ」は奈良を語るうえで決してはずす事の出来ない存在です。そこで現在、奈良公園周辺に1200頭は生息しているといわれる「奈良のシカ」についてちょっと紹介してみたいと思います。
どうして奈良の鹿は大事にされているの?>>
 春日大社の第一殿の神、武甕槌命(タケミカヅチノミコト)が茨城県の鹿島神宮から白い鹿に乗って奈良にやってきたという伝説に始まります。それ以来、奈良では鹿は神の使いということで保護されてきました。やがて山にいた鹿も公園に住み着くようになり、現在約1200頭の鹿が奈良公園周辺で生息するに至っています。
 平安時代にはいると藤原北家の隆盛と共に春日大社も拡充され、藤原一門による春日詣がさかんに行われます。この時、藤原貴族たちは鹿に出会うと、神鹿だといちいち輿を降りて挨拶のためおじぎしたのです。それで鹿におじぎの習慣が付いて、今でも観光客を見るとおじぎするのです。嘘のような話で、鹿せんべいをねだっているだけじゃないかといわれそうですが、世界でただ一箇所奈良公園の鹿はおじぎします。
 それだけでなく、このおじぎがきっかけになり、現代まで続く野生である奈良の鹿が、野生のまま人と共存するという、鹿と人の得難い空間が生まれたという仮説があります。江戸時代では鹿を殺した人は死刑になったそうです。だから昔の人達はみんな朝早く起きて家の前に鹿が死んでないかチェックしなければならなかったそうです。
鹿せんべいは、おやつ?!>>
 原材料は、米ぬかと穀類(小麦粉)です。砂糖や刺激物などは一切入っておらず、値段は1セット150円。本来、シカは草食動物です。奈良のシカは、1年を通じて公園内の芝(シバ)、ススキを主に食べています。その他に、木の実、落ち葉、樹皮など、季節によってさまざまな植物を食べています。「鹿せんべい」は、おやつ程度で、主食では無いらしいです。
 近年、観光客の捨てる食べ物の匂いのついた石油製品の弁当箱や袋などのゴミを食べ、それらが消化されないまま、かたまりとなって胃にたまり、食べ物が食べられなくなり栄養不良で死亡するシカが増えています(死亡したほとんどのシカの胃内には、たくさんのビニール類のかたまりがあります)また車の増加に伴う交通事故が年々増加し、毎年100頭以上のシカが死傷しています。
鹿の1日って?>>
 奈良のシカの一日の始まりは日照と密接な関係にあります。
夏は日の出の数分前から行動を開始し、冬は薄明の日の出の30分以上前から行動を開始します。泊り場から採食場へ移動し、シカは1〜数頭に分かれて1〜2時間採食します。そして、採食後は数頭単位で採食場から去り、ゆっくりと日中休息する休み場へと向かいます。この休み場で、朝9〜10時頃から夕方まで滞在します。
「休み場」では2つのタイプに分かれ、人に慣れているシカのほとんどは観光客からエサ(鹿せんべい)をもらって食べ、一方、人の来ない茂みの中で休んでいるシカ達は、人が6〜7mに近寄ると警戒して立ち上がり、さらに近づくと逃げていきます。午後3時を過ぎると、歩き回ったり採食するシカが目立ちだし、「夕方の泊り場」への移動は1〜数頭で採食したりしながら行われます。日没後、あたりが真っ暗になってしばらくすると、ほとんどのシカは泊り場に座り込んで反芻しながら休息をとっています。そしてまた2〜3時間休息した後、再び立ち上がって採食をします。 午前2時頃まで採食を続けたのち、「朝の泊り場」で反芻しながら休息をとるのが一般的な鹿の生活のです。
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泊まり場から行動開始 採食場にて食事 夕方の泊まり場へ
毛の生え変わりについて>>
冬から春にかけても綺麗ですが、個人的には毛が生え変わった後の鹿の子模様がくっきりな7〜8月あたりがお勧めです。
夏毛の鹿 バンビにも白斑
■夏毛への生え変わり時期: 5月上旬〜6月下旬
特徴: 茶褐色の地色に白斑で鹿の子模様とも呼ばれ、林の中ではカモフラージュとなり、敵から身を守るのに役立ちます。
冬毛の雄鹿 冬毛の雌鹿
■冬毛への生え変わり時期: 8月上旬〜10月下旬
特徴: 無斑で灰褐色になります。オスジカは、発情期にだけ首の周囲にタテガミ状の毛が伸びます。これはオスどうしの争いで体を大きくみせたり、威嚇に用いるほか、相手の角から頸部を守るためです。
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夏毛への換毛、真っ最中です。
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ビニール鹿には白斑があるので夏毛だったんですね。。
注意 鹿の出産期の5〜7月、発情期の9〜11月に、むやみに近づいたり体にさわったりすると、危険な行動をすることがありますので注意してください。